生産者 福元 雅岳さん

鹿児島県南さつま市。桜島の火山灰土からなる肥沃な土壌のこの地でカブ、大根、里芋、ほうれん草などの自然栽培に取り組まれている福元雅岳さん。24歳という若さで新規就農し、2016年から自然栽培を開始されています。

お野菜は主に、カブ、大根、里芋、ほうれん草など。地元鹿児島でのマルシェ等にも積極的に参加し、地域とのかかわりを大切にする若き生産者さんです。

 

ピュアリィの契約農家さんの中で最も遠方となる鹿児島県南さつま市加世田地区は薩摩半島の西側に位置します。ピュアリィから高速道路を利用し3時間。福元さんの畑に到着すると奥様と二人、素敵な笑顔で出迎えてくださいました。

最初に案内していただいたのは、丸々と大きく育ったカブが並ぶ畑。取材時の1月中旬には収穫量も多く、お野菜セットの主要な品目として入っていたカブです。足を踏み入れると土はふかふかでとても柔らかく、しっとりとしていました。

今でこそ立派なカブが育つ畑となりましたが、福元さんが借りだす前は10年以上耕作放棄地になっており、カヤが生い茂っていたそうです。そこから牧草系の植物などで土づくりを続け、同時に冬場にお野菜を作られるようになりました。

昨年は寒波が厳しく、大きくならずに途中で割れてしまったカブも、今年は気温が高いこともあり、収穫が追い付かないほどよくできていると仰います。

また、隣の畑には2月より出荷を予定しているほうれん草が、こちらも順調に生育中でした。まだ10センチほどの小さなほうれん草は黄色みがかっており、一見弱弱しくも見えましたが、福元さん曰く「去年も小さい時は黄色かったけど、大きくなるにつれて元気な緑色に変わっていくんです」とのこと。昨年は、ほとんど雪の積もらない南さつま市で2度の積雪があったほどの寒波で、葉に冷凍やけが出るなどの被害も出てしまいましたが、今年は比較的温かい気候で順調に育ちはじめ、さらにこれからの寒さでグッと甘みを増していきます。畑のほうれん草をそのまま食べさせていただきましたが、えぐみが全くなく軸の赤い部分は想像した以上の甘さでした。一般的に“ほうれん草の自然栽培は土を選ぶ”と言われることが多く、難しい品目の一つです。そんな中、福元さんのほうれん草はストレスなく畑とマッチし自然に育っている印象を受けました。

農業に携わるようになったのは、地元の農業高校に進学し、『有機生産科』という学科で環境保全型の農業を学ばれたことがきっかけです。卒業後は滋賀県の農業専門学校で基本的な農業技術を2年間学ばれた後、地元鹿児島にて有機栽培の農業法人に就職し、約3年間農場部門を担当する中で、実際に作物を栽培し有機栽培のノウハウも身に付けていかれました。その頃から、ゆくゆくは独立して新規就農をしたいと考えていた福元さんは、南さつま市が市の事業として取り組んでいた自然農体験学校に1年間ボランティアスタッフとして参加された後、独立し今に至ります。南さつま市では2015年に「南さつま市健康元気都市宣言」というスローガンを掲げ健康で元気に生活できるまちづくりを行なわれています。その一環である自然農体験学校にて、他の農家さんとの繋がりができたと同時に、農薬はもちろん肥料も必要としない栽培方法に可能性を見出し、有機栽培と自然栽培の勉強をさらに突き詰めていかれました。そして就農して間もない頃、南さつま市で行われた“生産者と流通を繋ぐイベント”でピュアリィと繋がることとなりました。

初めは取扱品目も少量でしたが、ピュアリィのイベントや畑での勉強会なども積極的に参加いただき、今ではこの時期には欠かせない生産者さんのお一人です。

福元さんも「勉強会などに参加する中で、作物のできる本来の過程や、自然栽培での理想の土の状態、その野菜の美味しさを知ることができた」と実感されていて、九州で自然栽培に取り組む若手生産者同士での研鑽や、技術を固めてきたベテラン生産者さんとの交流の場があることが自然栽培の普及や技術向上のためにとても大切なことだと再確認しました。

福元さんは、週末には各地で開催されるイベントに参加し、マルシェなど店頭販売も積極的に行なわれており、地元スーパーや料亭などでも自然栽培のお野菜を扱ってもらっているそうです。

「今の自分があるのは、南さつまという町があるからです。周りに支えてもらい農業ができていることを忘れず、もっと環境保全型の農業を多くの人に知ってもらえるよう笑顔こぼれる野菜を作っていきたいと思います。」と福元さん。若手の福元さんには日頃からたくさんの方が声を掛けてくださるそうですが、 “指導いただけることで勉強をさせてもらっている”と、あくまでも謙虚に取り組まれる姿が印象的でした。