生産者名 西田 淳一 さん

生産地
熊本県玉東町
生産品目
果樹

s-西田さん

「害虫か益虫か」

初夏には愛らしい姿の桃“はなよめ”、秋には熊本特産である“太秋柿”にピュアリィオリジナルジャムにもなっている“ゴールドキゥイ”、冬は“ゆず”など、沢山の果樹を栽培されている、にしだ果樹園・西田 淳一さん。太秋柿の収穫を前に、果樹園を訪問してきました。

まず第一声に「今年は収量が少ないね~」とおっしゃる西田さんの言葉を受けて園内へ入ると、確かに今年は、今までに比べて実のなり方が少ないような気がします。

多い木では1本に10個以上の実がついていますが、残念ながら実をつけていない木もありました。さらに実のなり方が少ない、実がついていない等の木はカイガラムシの被害で葉が真っ黒になっています。この真っ黒になるのは、カイガラムシの糞。カイガラムシは葉の葉脈に沿ってビッシリと広がり、葉から栄養を吸い取ってしまうのです。

この年の熊本は梅雨時期の雨量が例年より多く、このことでカイガラムシが大量発生したのではないかとおっしゃられていました。空気中にも植物の成長に必要な チッ素分が含まれているのですが、雨が降ることで空気中のチッ素分も土壌に吸い込まれます。この雨が多量に降ると、チッ素分も多量に吸い込まれることになり、チッ素過多状態になるのだそう。そして過多になった分を排除しようと、カイガラムシが来てくれているのだそうです。

収穫量や見た目だけを重視すると、絶対に来て欲しくない「害虫」ですが、自然規範に沿って考えると、必要があって来てくれている「益虫」なのだと、自然界の奥深さを改めて感じました。

s-はなよめs-太秋柿

「どう活かすか」

見上げるとカイガラムシの被害にあっている木からは、新しい新芽が出ているのが目立ちます。西田さんは、ナチュラル・ハーモニー果樹指導員『道法正徳』さんの教えをもとに、切り上げ剪定を行ってらっしゃいますが、この新芽をどう活かすかも今後の成長の重要なポイントだそうです。そのポイントももちろん自然を見ながら、そして今まで経験されてきたことから導き出され、それが的確に自然に沿ったときに翌年の収穫量が増えるとおっしゃいます。

そしてもう1つ大切なことが、土の状態。園内で折れるなどして小さくなった木もあえてそのまま生かすことで、その周りには雑草が茂り、雑草に集まる虫たちがそれぞれの役割で園内の環境を整備してくれます。

 

「先代への感謝がつまったゴールドキゥイ園」

このように様々な生き物が共に生きている、にしだ果樹園のゴールドキゥイは順調です。「これまでと同じくらいに順調に生育していますよ」と案内され入ると、ずっと先までたわわに実ったゴールドキゥイが見渡せます。下には美しく草が茂り、凛とした空気の中に、それは美しい光景です。

自然栽培歴11年目となる西田さんの“ゴールドキゥイ”は、西田さんも自信の果物ですが、ここに至るまでには、やはり試行錯誤され沢山の努力を積み重ねてこられました。そして今回印象に残ったお話が「この土地や資材を受けついでくれた先代に、とても感謝しています」とのお言葉。「どうして、この土地にゴールドキゥイを選ばれたんですか?」との問いに「ゴールドキゥイを選んだ・・というよりも、先代から土地を譲り受けて何を栽培するか・・となった時に、それまでの栽培品目や地域間の摩擦なども考えて。あとは需要があったからですね」とのお答え。そして「いざゴールドキゥイを栽培するとなった時に、それまでの栽培が土壌になるべく負荷をかけないやり方だったり、要らない資材も譲ってもらったりと、先代が自然栽培ゴールドキゥイ成功への道筋を立ててくれたのではないかと感じています」と感謝の気持ちを表されました。

先代への感謝・園内に生きる全ての生き物への感謝・そして食してくださる消費者の方々への感謝、西田さんの周りに溢れる感謝の気持ちが、難しい自然栽培果樹の成功に繋がっているんだと心に残りました。

最後に「蜘蛛もハチもモグラも、みんな果樹園の大事なスタッフ」とおっしゃられる西田さん。“果樹園に生きる生物全てが役割を持って生きている”ことが実感される園内であり、この価値観こそ、ぜひ未来に残していきたいものです。

s-西田さん②

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