生産者名 稲本 薫 さん

生産地
熊本県八代市
生産品目
野菜

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雑草との格闘

私が自然栽培のお米作りを始めた最初のきっかけは、高校卒業後に入った熊本県果樹園芸講習所時代に、ある先生の脱線授業で、玄米と白米の話(米辺に健康の康は、玄米に付いている糠(ヌカ)、米辺に白は、粕(カス)で、皆白米を食べている人は、粕を食べている)をしてくれたことでした。

それをきっかけに、24歳の時に、家で食べる分の10aから無肥料・無農薬のお米をつくり始め、その後、5年から10年の間に、面積を50a・100aと増やしてきました。取り組んでみて、一番大変だったのは、草取りでした。ガンヅメと呼ばれる農器具を3回押して、最後は、手取り、もう体はヘトヘトで、母親と、妻と、私の3人で泣きながら草取りをした事もありました。

最も辛かったのは5年目を迎えた時の事です。30aの水田で、全面に生えていたコナギを、妻と2人で取り終えた後、稲の大敵である秋ウンカで、30aの稲が全滅した事でした。その時はもう涙も出ませんでした。

その頃の平均収量は5俵~5.5俵と現在と比べるとずいぶん少なく、(今は平均して6.5俵~7俵、慣行農法の80~90%)その後、面積を150a~200aと徐々に増やし現在は710aの面積にまでなりました。そして、5年~15年目の頃までは、新しく始めた水田は、残っていた肥料の影響等で病虫害、減収と、なかなかまともな収穫は得られませんでした。しかし、現在は病虫害も出さず収量も安定してきました。

収量安定の一番の要因は、実は24年前に現れた、ジャンボタニシのおかげでした。私は日本で最初にジャンボタニシの除草効果を発見しました。それまで本当に苦しんで雑草と格闘していたのが、ウソのように雑草が生えなくなりました。私がするのは水田をとにかく均平にすることと、田植え後の水管理を2~3週間細やかにヒタヒタの水で、入水、落水を繰り返すことです。ちょっとでも間違うとジャンボタニシに稲を食べられるか、雑草が繁茂してしまいます。毎年田植えをしながら約2週間この事に気を付けなければなりません。稲の食害も少しはありますが、草取りは30aから50a(全面積の5~10%)位に減りました。

二番目の要因は、新しく耕作する水田は特にですが、トラクターで耕す深さを5㎝以内の半不耕起栽培で栽培する事です。浅く耕すことは10㎝~20㎝くらいの所にある肥毒層を触らずに栽培することで病害虫の影響を出しにくくする技術です。7~8年以上半不耕起で続け、その後は、収量等を見極めながら徐々に深く耕し、慣行栽培の平均収量8俵/10aを目指し、そしてそれを追い抜く目標を立てています。

 

使用禁止の椿油カス

周囲の水田では、一般的に使用禁止の椿油カス(水田で使うとサポニンという強魚毒成分でタニシが死に、それが河川・海に流れて影響があるということで禁止)が、水田の100%に近い割合で使われています。私の水田では、肥料も農薬も除草剤も椿油カスも一切施しません。そこにジャンボタニシがいてくれて草取りの手伝いをしてくれているのです。又、昔の水田にはたくさんいた日本タニシも、ジャンボタニシと共生しだしています。長く水田ではどっちが多いか解りません。もちろん、微生物や昆虫をはじめとした多種多様な生物もこの水田で復活している姿を見るようになりました。この水田の環境が益々良くなっていくことで、水田を通って出ていく水はきれいになり、川から海へと流れて行きます。自然栽培に取り組むことで、本当に地球環境はアッという間に良くなっていくと思います。自然栽培に取り組む生産者、水田が増えるように消費者の方々も声に出してください。お願いします。

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自家採種16年目のアキタコマチ

アキタコマチを作り始めて自家採種で16年になります。作り始めたきかっけは、熊本の奨励品種のヒノヒカリが高温障害に弱く、白濁の症状が出やすくなったからです。最近気象の温暖化が進んでいる中、私はこのアキタコマチで高温障害をクリアーしています。自然栽培を続けていけば、ヒノヒカリもアキタコマチもコシヒカリも、ほとんど遜色なくさっぱり系の味になってきているみたいです。これから食味の比較調査が必要だと感じています。

 

家族・地域の理解

家族皆で取り組んでいるので、有難く、嬉しいと思っています。三男が後継者になってくれたのも心強いです。地域への働きかけは私が一番大事に想っていることで、色々な場面で話すようにしています。周りを否定しない、仲良くする事が自然栽培を理解してもらう一番の秘訣だと思っています。

私たち農家は、自分の作った物を食べて頂いて「おいしい」「よかった」と言ってもらえることが一番の喜びであり、次の生産意欲に繋がります。どうか一緒になって、少しでも自然栽培農家が増え、この50年、100年で壊してきた地球環境を元に戻し、子々孫々の時代が素晴らしい時代になる事を祈っています。

 

(稲本 薫 さん談)

 

 

 

 

 

 

s稲本さん

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