季温

野菜のある食卓 じゃがいもの塩麹ロースト

じゃがいもの塩麹ロースト 2人分

●材料

じゃがいも1個、オリーブオイル大さじ1/2、塩麹大さじ1

●作り方

① じゃがいもは皮ごと乱切りにする。オリーブオイルと塩麹をよく混ぜておく。

② ボウルにじゃがいもを入れ、オリーブオイル+塩麹をよくまぶす。天板にオーブンシートをしき、じゃがいもを並べ、180℃のオーブンで約20分焼く。一度かき混ぜて、さらに5分焼く。

 

レシピ監修:天野朋子先生

野菜のある食卓 じゃがいもと海苔のかき揚げ

じゃがいもと海苔のかき揚げ 2人分

●材料

じゃがいも1個、海苔全型1/2枚、小麦粉、水 各適量 塩ひとつまみ、揚げ油

●作り方

① じゃがいもは皮ごと7-8ミリ角のさいの目切りにする。海苔は細かく手でちぎる。小麦粉に水、塩を混ぜて溶き粉をつくる。

② じゃがいもと海苔をざっとまぜ、小麦粉少々を振り入れてまぜ、溶き粉を加えて混ぜ、かき揚げにする。

【熊本県菊池市 渡邉明人さん「原木生椎茸」の今】

熊本県菊池市 渡邉明人さん「原木生椎茸」の今】

熊本県北部菊池市、日本名水百選にも制定される菊池渓谷の近くで、代々農業に取り組まれている渡邉明人さん。

」山間部の冷涼な気候を利用して椎茸やお茶、稲作や畑作にも取り組んでおられます。

もともと原木椎茸栽培の適地と言われるこの地で、渡邉さんはおじいさんの代から原木椎茸栽培をされています。

そんな渡邉さんの椎茸が収穫を迎えているという事で、さっそく産地に向かいました。

 

菊池渓谷は県有数の避暑地、紅葉の名所として夏、秋は多くの人でにぎわいますが、今回取材に行ったのは1月の上旬、標高約300mに位置する渡邉さんの自宅前は息も白くなるほどの寒さでした。自宅に着くと「今日は一段と寒いですね~。」と、優しい表情で暖かく迎えていただきました。

渡邉さんの椎茸の圃場は自宅から更に山を登ったヒノキ林の中にあり、寒さも一段と増します。

圃場に到着すると、椎茸の原木に直接日光が当たらないよう、少し薄暗い圃場には約一万本もの原木(ホダ木)が整然と並べられ、合掌型の原木の列が幾重にも並べられています。

面積として約80a(100m×80m)のこの圃場で渡邉さんは、乾燥させた干し椎茸300㎏分の収穫がされます。

 

広い圃場を案内していただき、並べられている原木を見ると肉厚で立派な椎茸が沢山生えていました。

「ここの原木は若いから椎茸が良くなります。原木にも栄養があって、それを吸い取りながら椎茸が育つので大体7~8年ほど椎茸を付けるとなりが悪くなるんです。」

そういって少し離れた原木の列をみると、確かに椎茸の数も少なく、原木も朽ち果てボロボロになっていました。

「椎茸がここまで木を分解して、それをカブトムシの幼虫などが食べることによって土にかえっていくんですね。」と渡邉さん。

実際に圃場を見ることで椎茸の育つ仕組みや、枯れた木が次の生命の栄養になるといった自然の摂理をシンプルに感じることができます。

 

渡邉さんの椎茸のこだわりとして、原木椎茸栽培には欠かせない“原木”があります。

原木椎茸は椎茸栽培の中でも最も自然に近い環境で育つため、味や食感も天然に近いものになります。

一般的には原木を購入し椎茸栽培を行います。

そんな中、渡邉さんは原木もご自身で育て、椎茸栽培に利用しています。

現在渡邉さんが椎茸栽培に利用している原木は100%地元菊池市産。その内の半分が自ら育てたクヌギの木を使用しています。

椎茸の圃場の近くの敷地には、まだ人の背丈くらいの高さの葉を落としたクヌギの木が数十本立ち並んでいました。

「椎茸の栄養になる原木には特別気をつかっています。良い椎茸を作るにはこの原木を育て、伐採する時期やその環境、天気、さらには月の満ち欠けも関係してきます。」

伐採時期を迎えたクヌギは葉が枯れ落ちてしまう前の10月末ごろに切り倒され、おおよそ2か月間そのまま乾燥するそうです。

その後原木を切り分け、椎茸の種となる菌種を原木に打ち込み自然環境の中でさらに寝かします。ここから更に1年半原木に菌糸がいきわたると秋の終わりから椎茸が発生し、やっと収穫が始まります。

長い年月をかける椎茸栽培は、農業だけではなく林業にも近いものを感じました。

その様々な技術を語る渡邉さんの横顔はまさに職人。

植物の小さな働きを感じ取り、自然の流れに沿うことで生まれるのが渡邉さんの原木椎茸です。

 

 

渡邉さんは高校卒業と同時に、地元熊本の農業大学校に進学。

その後実家に戻り農業を継がれ、学生時代から安全な食べ物を生産するのが農業者の責務だと思い、結婚を機に一般慣行栽培から有機栽培へ、そして、より安全を求めて自然栽培へ移行してこられました。有機栽培から自然栽培に移行する時にはずいぶんと悩まれたそうです。

しかし、有機肥料に含まれる遺伝子組換え原料やポストハーベストの問題をどうしても無視できず、自然栽培にチャレンジされたそうです。

「自然界は0+0=1だったり2だったり「無」が「有」を生む世界、本当に人の体にいいものは「無」から「有」が生まれる時にできるのではないかと思えるようになったので、自然栽培を目指すようになりました。」

現在は、更なる品質向上を実現するために、面積を広げるのではなくできる限り栽培面積を縮小し、「心」と「手」を掛けられる環境を意識しているそうです。

 

「私は自然栽培により生産された農作物がひとの体に優しく、地球にもやさしい食べ物だと思います。自然栽培を周りの人に普及をできるような栽培技術を、私自身が身に着けなければと思っています。」

生産し、販売することだけではなく、食べる人や、自然環境をその先に見られている渡邉さん。

その人柄が目の前の椎茸に表れているように感じました。

 

最後は、薪ストーブが気持ちいい、渡邉さんのご自宅へお邪魔しました。
奥さん手料理のぜんざいと、そして採れたての原木生椎茸の塩焼きのご馳走を頂きました。
渡邉さんの生椎茸はとっても肉厚で食べごたえがあり、豊かな香りと旨味が食欲をそそります。
一番美味しい食べ方は「焼き椎茸に醤油とレモンをちょと垂らして食べる」とのこと。
傘を下にして、片面のみ椎茸が汗をかくまでじっくりと焼いて食べてください。

現在渡邉さんの原木椎茸は定期宅配会員様の野菜メニューにお入れしております。

野菜のある食卓 さつまいもとキヌアのバルサミコ風味

さつまいもとキヌアのバルサミコ風味材料:約4人分

さつまいも 200g

キヌア 1/3カップ

水   2/3カップ

塩   ひとつまみ

 

ドレッシング

【エキストラバージン・オリーブオイル小さじ2、バルサミコ酢大さじ2、醤油小さじ1/2、塩小さじ1/4、粒マスタード小さじ1、メープルシロップ小さじ1】

 

つくりかた

  1. キヌアは目のこまかいザルにいれて良く洗っておく。
  2. なべにキヌアと分量の水、塩少々を入れて火にかける。沸騰したらふたをして、ごく弱火で15分炊く。
  3. さつまいもは乱切りにし、塩(分量外)をまぶし、蒸気の上がった蒸し器で柔らかくなるまで蒸す。
  4. ドレッシングの材料を大き目のボウルに入れ、よく混ぜておく。キヌアが炊き上がったら、お湯を切らずに、ドレッシングに加えてよく混ぜる。
  5. 蒸し上がったさつまいもと、のキヌア入りドレッシングを合わせて混ぜる。

 

無添加石けん  シャボン玉石けん株式会社

本当の石けんとは

「どうぞ味見してみてください」「石けんを味見するんですか?!」

そんな会話からスタートした石けん製造現場の見学。

案内してくださったのは、シャボン玉石けん株式会社、石けんアドバイザーの前田博昭さんです。一日に100人以上の工場見学者が訪れるシャボン玉石けん株式会社は、他の石けんと何が違うのだろうか。そんな疑問が今回の訪問で感動に変わりました。

 

石けんの作り方には2通りあり、油と苛性ソーダをじっくり混ぜて反応させ一週間程かけて仕上げる「ケン化法」と、保湿成分である天然のグリセリンを取き除き4・5時間程度で素早く仕上げる「中和法」があります。発酵食品で言うところの“静置法”と“速醸”といったところでしょうか。

もちろん、シャボン玉石けんは全ての商品が「ケン化法」で作られています。

ただでさえ、日本市場の10%でしかない石けんの中でも、「ケン化法」を用い石けん作りをしているところはほぼありません。

 

工場見学では、①固形石けん「ケン化」作業②液体石けん「ケン化」作業③固形石けん型打ち作業、各作業風景を見学させていただきました。

一番印象的だったのは、大きな釜の前にいらっしゃる「釜炊き職人」さんの仕事。

アルカリと油を混ぜる釜の前で、じーっとその状態を観察されています。同じ種類の油でも、その時の油の状態や、気温などで反応状態がまるで違う為、なめらかさ、香り、そして冒頭でお伝えした「味をみる」作業を、蔵元の職人と同じように五感で作り上げていらっしゃいます。私も味見をさせていただきましたが、油のまろやかな風味で嫌味が全くありません。

その他、見学している間中石けんの優しい香りが漂い、とても居心地のいい空間であることに“本物の自然さ”を感じました。

 

基本は全て良質な油から

シャボン玉石けんが作られている洗濯洗剤、食器用洗剤、シャンプーなどは全て石けん成分のみで作られており、用途によって油の種類と配合率、品質を変え、使いやすさを追求されています。

使用する油は、パーム油・米ぬか油・牛脂など。この原料となる油が良質であれば、後から香りや保湿成分を添加する必要がありません。また、天然のグリセリンが残っている「ケン化法」で作った石けんは、洗いあがりがしっとりとしています。

前述の前田さんは、「ボディー用の石けんが切れていたら他の石けんで体も洗いますよ」と言われていました。元となる原材料がシンプルなので◯◯用と分ける必要もない訳ですね。

また、天然油脂と苛性ソーダを反応させて作られる石けんは、合成洗剤に比べ、水に流すと約半日で90%が分解されます。その後、無害な石けんカスとなり後に全て分解されます。

シンプルに作られたものは、自然環境にも当たり前のように順応し、無害であること。

“石けん”という、身の回りで当たり前にあったものの奥深さをしっかりと感じ、今まで以上に石けんライフを楽しもうと思った見学会でした。

シャボン玉石けんの商品はコチラです。

<<シャボン玉石けん株式会社>>

1910年、現北九州若松区「森田範次郎商店」として創業。

合成洗剤の製造販売を1961年にスタートするも、先代自身が原因不明の赤い湿疹に悩まされる。国鉄の依頼で無添加石けんを製造し使用したところ湿疹の原因が自社の合成洗剤と分かり、環境と体に悪いものは売れない!と決意し1974年無添加石けんの製造に切り替える。今年で創業108年の歴史ある会社。

<野菜のある食卓> ネーブルのトライフル

●ネーブルのトライフル 4人〜6人分

【スポンジケーキ】

・Dry(小麦粉100g、ベーキング パウダー小さじ1)

・Wet(無調整豆乳80g、菜種サラダ油40g, オーガニックシュガー40g, リンゴジュース20g, オーガニックバニラエッセンス少々、塩ひとつまみ)

 

【豆腐クリーム】

・豆腐木綿200g(1時間程度水きり)

・メープルシロップ大さじ2~4(好みで)

・塩ひとつまみ

・オーガニックバニラエッセンス少々

 

【仕上げ】

・ネーブル1個

・好みのジャム大さじ2

・みかんジュースまたはりんごジュース大さじ2

 

<スポンジケーキ>

①Dryの材料をボウルに合わせて泡だて器でよく混ぜる。 Wetの材料をボウルに合わせて、泡だて器でよく混ぜる。 キッチンペーパーに油(分量外)を含ませて、ケーキ型の内側を拭いておく

②DryのボウルにWetの中身を入れ、木べらなどでよく混ぜる。 ケーキ型に入れ、蒸気の上がった蒸し器で25分~30分蒸しておく。または170度に熱したオーブンで25分~30分焼く。

 

<豆腐クリーム / ジャムシロップ>

①豆腐クリームの材料をすべてフードプロセッサーにいれてなめらかになるまで攪拌する。

②ジャムとジュースをボウルに合わせて、よく溶かしておく

 

<仕上げ>

①スポンジケーキは1センチ角くらいの大きさにカットする。半量をグラスに入れる。ジャムシロップの半量をしみ込ませる。

②クリームの半量を①に重ね、食べやすくカットしたネーブルの半量をのせる。同じことをもう一度繰り返す。

③一番上に飾り用のネーブルをのせる。

 

※ネーブル以外の柑橘類、もしくは苺など他の果物で作っても美味しいです。

<野菜のある食卓> 菊芋と人参と生椎茸のかき揚げ

●菊芋と人参と生椎茸のかき揚げ  4人分

・菊芋 150g

・人参 小1/2本

・生椎茸 4個

・小麦粉 適量

・揚げ油 適量

 

①菊芋と人参は、皮ごと、マッチ棒くらいの太さにカットする。生椎茸は薄切りにする。軸も硬いところを除いて薄切りにして使う。

②大きめのボウルに①を入れ、小麦粉をまぶす。別のボウルに小麦粉を入れ、トロリとするくらいの濃度になるよう水を入れ、塩ふたつまみを加える。小麦粉をまぶした菊芋、人参、椎茸をそこに加えてさっくりと混ぜる。

③箸で②をひとかたまりつかみ、中温に熱した油で揚げる。塩または好みのつゆをつけて食べる。

※ごぼう、玉ねぎなどを加えても美味しいです。

<野菜のある食卓>ごぼうと椎茸とひじきのパスタ

ごぼうと椎茸とひじきのパスタ 4人分

●材料

・ごぼう約200g

・生椎茸4個

・ひじき20g

・塩小さじ1/4

・醤油大さじ1〜

・オリーブオイル適量

・パスタ・・・300g

●作り方

①ごぼうはよく洗い、皮をむかずに、太ければ二つ割りにしてから斜めに薄切りにする。水にさらさない。生椎茸は薄切りにする。軸も硬いところを除いて薄切りにして使う。ひじきは柔らかくなるまで水に戻して水を切っておく。

②フライパンにオリーブオイルを熱し、最初にごぼうを数分間弱火でじっくり炒める。この作業でごぼうのアクが抜け、しかも旨味が失われない。

③椎茸、ひじきを加え、塩を振りながらさっと炒め、水1/4カップ(分量外)を加えて蓋をし、汁気がほぼなくなるまで弱火で火を通す。

④海水程度の塩分のお湯を沸かし、パスタを所定の分数茹でる。お玉一杯分くらいの茹で汁を3)に加え、水気を切ったパスタも加え、中火で具をパスタにからめる。必要であれば醤油、塩を足して味を調える。

 

<野菜のある食卓>菊芋と海苔のガーリックライス 

今回は、菊芋・生椎茸・柑橘類を使ったレシピのご紹介です!春の陽気が嬉しいこの季節は、お野菜にとっては「子孫を残す季節」。冬にたくさん育っていた大根やカブなどの根菜類、小松菜やほうれん草などの葉物は“當立ち(とうだち)”といって、種を残す段階になります。そして、今種を蒔いている夏野菜が育ってくるまでの間、野菜の種類が少なくなりますが、この季節もお野菜達の自然なリズムとして楽しんでくださいね。

レシピ監修:天野朋子先生

ピュアリィ料理教室講師。懐かしい未来食研究家、NativeFoods(熊本)代表。Kushi Institute(米国)にて伝統食を学び2004年に帰国。国内外で講習や料理教室を開催し、熊本県主催の「食の講座」も担当。著書に『玄米・豆・野菜・海藻を食べる』『WholeFoods Studioのセルフ・ヒーリング・クッキング』等。

<天野先生 ひとこと>

この時期に旬を迎える野菜は土の中でじっくり甘さを増しています。煮る、炒める、揚げる、のほか、ごはんやパスタに合わせてたくさんお召しがりください。ひじきや海苔などの海藻と合わせると旨味も更にアップ!同じく旬を迎える柑橘のデザートも併せてご紹介します。

芋と海苔のガーリックライス  4人分

●材料

・菊芋150g

・にんにく1/2かけ

・醤油小さじ2

・塩  小さじ1/4

・ごま油少々

・ご飯 茶碗4杯分

・海苔 全形 1枚

●作り方

①菊芋はよく洗い 皮ごと7〜8ミリ角にカットする。にんにくはみじん切りにしておく。海苔は手でちぎる。

②フライパンにごま油とにんにくを熱し、良い香りがしてきたら菊芋を加えて炒める。

③ 塩と醤油を加えて軽く混ぜ、水1/4カップを入れて蓋をし、5分ほど弱火で火を通す

④炊き立てのご飯に③を汁気ごと加え、海苔も一緒に混ぜ込む。

※ニンニク、海苔の量は好みで加減してください。海苔は多めが美味しいです。

 

 

季温 vol.41 3月号 産地の今 出水天恵海苔グループさん 「無酸処理 海苔」

鹿児島県出水市

出水天恵海苔グループさん(いずみあまのりぐるーぷさん) 「無酸処理 海苔」

■プロフィール

「無酸処理をしていない海苔を食べて欲しい」と、出水の海苔生産者が集まったグループ。今では酸処理をしないで海を守る事だけでなく“手摘み”や“手すき”といった、昔ながらの職人技を後世に残す役割を積極的に行われている。

 

ピュアリィでも人気の一押し商品となっている「無酸処理の焼きのりシリーズ」。毎年、2月頃から海苔の収穫のピークを迎え製造が開始されます。生産者グループの出水天恵海苔グループでは日本でもほとんど見ることのなくなった昔ながらの海苔づくりを続けられ、その伝統を受け継いでおられます。

貴重な海苔づくりの取り組みをお客様にも知っていただくべく、毎年行われている「海苔の手すき体験」が今年も行われるという事で、ピュアリィのお客様と共にイベントに参加させていただきました。

熊本県と鹿児島県の県境となる出水市。北部に面する八代海の海の幸とツルの渡来地として有名なこの地で無酸処理の海苔は作られています。こだわりの海苔を作るのは、伝統の海苔づくりを守り続ける出水天恵海苔グループの生産者さんです。仕切りの作れない海で無酸処理の海苔づくりをするためにはその海全体で取り組む必要があり、地元の漁協の協力のもと、日本で唯一といっても過言ではないくらい貴重な海苔の生産が行われています。

コンビニおにぎりなど海苔の消費が昔に比べ多くなった現代で、海苔の生産でごく一般的に行われているのが海の農薬と言われている「酸処理」です。生育中の海苔を網ごと酸性の液にくぐらせて、再び海に戻し病気を予防する作業。生産量を増やすためにずっと海水に浸かっている状態で成長する海苔は、ピーク時では3日に1回の酸処理での消毒が無ければ病気にかかってしまい、収穫自体ができないのです。その上、消毒後の酸処理剤は当然海に溶け込んでいってしまうので、その他の海産物へ影響を与えている可能性もあります。

出水天恵海苔グループでは、こういった問題を懸念し、酸処理を行わない昔ながらの海苔づくりに取り組んでいるのです。酸処理剤が無かった頃、病気にかからないように海苔を育てるために行っていたのは「日光消毒」です。海の満ち引きを利用し、満潮時には海水につかって成長した海苔は干潮時に海面に顔を出し、陽の光と潮風に当り、病気の予防をします。そうしてできあがる海苔は自然の恵みを目いっぱいに受け取り、豊かな香りと海苔本来の甘みを持った味わいが生まれるのです。

今回のイベントでは昔ながらの海苔づくりの作業の一つ「海苔の手すき」「天日干し」を体験させていただきました。今では機械乾燥が主流になっていますが、1年に一度こうしたイベントを通して本当の海苔の作り方や香り、味などを伝えていくことも大切にされています。昔から使っている木枠に水で溶いた海苔を流し込み1枚1枚漉いていき、海沿いの堤防で天日乾燥を行います。当日は天気も良く、気持ちの良い風が吹いたこともあり乾燥し始めた海苔はパチパチと音を立て始めます。しっかりと乾燥したものを1つずつ剥がしていき海苔の完成です。

伝統を繋ぐ役目を大切にされています。

潮風と天日で乾かします。

 

出水天恵海苔グループでは、海苔づくりにあたってその品種にも着目し、幻の品種と言われる「アサクサ種」の復活にも取り組まれています。今回の体験もこの貴重なアサクサ種で行われ、正真正銘日本で唯一の無酸処理・干出式・アサクサ種での手すき海苔という本当に貴重な体験をさせていただきました。

 

毎年、大寒に合わせて海苔の収穫作業が始まるそうですが、大寒と言えば1年の中で一番寒い時期となります。海苔は寒さによって成長が進み、より寒い年には良い海苔ができると言われています。しかし、今年は記録的な暖冬となり、出水の海の水温も2℃程高くなっていたそうです。2℃というとそれほど変化が無いようにも思えますが、温度変化のしにくい海水の2℃というと、その環境で育つ生き物には大きな影響が出ると言います。魚の漁獲量も今年は少なくなっているようですが、特に海苔は高温に弱く、実際に収穫を行って採れた海苔の量は例年の約半分程で今まで経験したことがないほどの不作の年となりました。そもそも昔ながらの海苔づくりは一般的な生産方法よりも収穫量が少なく、特にアサクサ種は品種改良のされていない原種となるため、昔とはかけ離れた気候変動に影響されやすい特徴があると言われています。それでも今年できた海苔の品質は味、香り共にとても良く、厳しい環境の中でこれだけの海苔ができたと生産者さんも本物の海苔の力強さを再確認したそうです。

気候変動や後継者問題など近年の海苔づくりを取り巻く問題もありますが、生産者さん達の熱い想いが消費者まで伝わっていくのをイベントに参加して強く感じました。同時に、自然に従った海苔づくりは自然栽培の農作物と全く同じものだと感じました。生産者さんたちが言われる“本物の味を知ってもらいたい”という思いを受けて、私たちピュアリィも伝え続けることに更に尽力していきたいと思いました。

レポート 舩水

 

 

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