~その5~腐敗するか?発酵できるか?
腐敗と発酵が大きな分かれ目だよ!
ここで、以下の3種類の栽培方法で育てられたキューリを用意して、煮沸した蓋付きの瓶に入れ、一日一回ふたを開け、1週間ほどその変化を観察しました。
- ①農薬や、化学も有機も肥料をいっさい使わない自然栽培のキューリ
- ②農薬はほとんど使わず、有機肥料を使った有機栽培のキューリ
- ③農薬、化学肥料を使う一般栽培のキューリ
一体どれが、それぞれのキューリでしょうか?
正解は、左から自然栽培、有機栽培、一般栽培でした。
これまでお話してきたように、残念ですが、②や③のように、植物(野菜)の生長にとって不必要な物がより入っていると、こうやってドロドロに「腐敗」し、虫や病気を呼んでいます。
臭いをかぐと「入っているものそのものの臭い」がします。つまり②は動物の糞尿の臭い、③は化学的な薬の臭さ、どちらも、この瓶の中では「腐敗菌ががんばり!」キューリを腐敗させ「水」にして、早く自然に戻そうとしています!
しかし①は自然のままですから、腐敗はせず、この中で条件が整い「ほのかにお漬物の匂い」をさせながら乳酸発酵中!
この①②③を、目を閉じた人の口元に持っていくと、②や③はおびただしく臭いのですから「食べたい!」とは思えないですが、①は「おいしそう!」と体と心が食べたくなります。
「真の安心、安全」は、頭でっかちに考えることではなく、「人が食べたい!と思えるかどうか?」
「おいしそう!」と五感でそう思えるかどうか!?だと思うのです。
人参の実験
左は自然栽培、真ん中は動物性の糞尿が入った有機栽培、右は糞尿なしで植物性堆肥のみを使った有機栽培です。
ここでもわかりますね。動物性のものより、植物性のもののみで自然に近いものは「腐敗しにくい」ですね。
柿の実験
左は自然のままの柿、右は肥料や農薬を使って栽培した柿です。
やはり右は腐敗し水になっていこうとしています。
ところが、自然の柿は発酵中!トロトロっと酵母菌により「柿酒」を、そしてその後は、酢酸菌の働きで「柿酢」を作ろうとしています。
米の実験
これは、秋田県八郎潟の石山範夫さんの有機栽培と自然栽培の米
左は残念ながら腐敗し、右は見事に発酵中!甘酒を作ろうとしています。
ここで紹介してきた野菜や米は、こうやって瓶詰などせずに、常温で置いていても、あるいは、冷蔵庫に保管していても、「腐れるものは腐れ」やがてドロドロに溶けていきます。
そして、どこに放っておいても発酵するものは腐れない!
腐れずにどうなるか?野菜は植物でしたよね??
そうです!野菜は腐れずに「枯れていく」のです!
腐れず枯れるリンゴ
これは、「奇跡のリンゴ」で有名になった木村秋則さんのリンゴです。
腐れるのではなく、枯れ朽ちていくのです。